小説『テンペスト』の感想。沖縄(琉球)の歴史を知るのに最適な首里城が舞台のおすすめ本!

今回の沖縄旅行では、首里城をはじめいくつかお城に行くことにしていたので、せっかくなら歴史的背景を知っておきたいと思っていました。

とはいえ、いわゆるお勉強では頭に入らないだろうと確信を持てる程度には自分のことは分かっているつもり笑 そこで、琉球王朝が舞台の小説『テンペスト』を読んでいくことにしました。

Amazonの紹介文は以下の通り。

19世紀の琉球王朝。嵐吹く晩に生まれた真鶴は、厳しい父の命に従い、男として生まれ変わることを決心する。名を孫寧温と改め、13歳の若さで難関の科試を突破。憧れの首里城に上がった寧温は、評定所筆者として次次と王府の財政改革に着手する。しかし、王室に仕える男と女たちの激しい嫉妬と非難が寧温の前に立ちはだかる…。伏魔殿と化した王宮を懸命に生き抜く波瀾万丈の人生が、春の雷のごとく、いま幕を開けた。

そもそも女性に生まれた主人公が男性と偽って官吏になるという設定で察せられることかもしれませんが、決して重厚な歴史小説ではなく、ライトノベルといった印象です。

ストーリー自体は壮大なのですが、セリフや描写、エピソードは軽い感じで、どっちつかずの居心地の悪さを感じましたし、また設定に無理があるので突っ込みどころも満載でした。

ただ、怒涛の展開で飽きることはないし、仲間由紀恵主演で舞台化もされていくらいなので、テーマは面白いです。最初からマンガを読むくらいの感覚で読めば楽しめるかもしれません。というか、登場人物のキャラが立っているので、はまる人ははまるかも。歴史ものを読みたい、沖縄の風土や歴史を知りたい、だけど重くて難しい歴史小説はちょっと…という人には最適です。

私の場合も、読んで良かったと思うのは、何よりも琉球の歴史を知ることができたから。

沖縄の歴史というとどうしても戦中・戦後のことばかりをイメージし、それ以前のことに目が向けられることは少ない気がします。

琉球王国という小さな国の在り方、中国や日本との関係、国王の存在、行政機関の構造、城内における男性の世界と女性の世界のこと、宗教支配、地域信仰など、知らないことばかりでした。

これらのことを教科書で読んでも右から左ですから。リアリティを持ってこれだけのことを知ることができるのは、やはり小説の力ですよね。

小説を読んだ後に首里城を訪れたら、やはり「あっ、ここは○○がいたところだ」とか「ここで××が△△していたのかぁ」なんて思うんですよね。正月行事の様子を写した写真を見ても、当時の琉球王国と清との関係を知っているだけで、見え方が全く変わる。

首里城の建物一つ一つに感動し、説明の一つ一つに感心できたのは、間違いなくこの予習があったから。琉球王朝を舞台にした小説はなかなかないので、これから沖縄、とくに首里城に行かれる方にはおすすめです。

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